浮気・不倫慰謝料の「追加請求」とは?する・された場合の対応を弁護士が解説
「妻・夫の不倫を発見!慰謝料を不倫相手に支払ってもらったが、よく考えたらその金額じゃやっぱり納得できない。そんなとき、不倫相手に追加で慰謝料を請求していいの?」
「相手の奥さん・ご主人に不倫がバレた!慰謝料を支払ったから、もう問題は解決したと思っていたのに、ある日突然、慰謝料を再び請求されてしまった…。どうしたらいいの?」
浮気・不倫の慰謝料問題において起こりうるトラブルの一つが、慰謝料の「追加請求」です。そんな追加請求に関する疑問に、アディーレ法律事務所で慰謝料請求を中心に取り扱う弁護士が、経験を踏まえてお答えいたします!
目次
この記事を読んでわかること
浮気・不倫における慰謝料の「追加請求」とは?
浮気・不倫をした場合には、法律上、慰謝料を請求することができます。慰謝料の請求は配偶者の浮気・不倫によって受けた精神的な苦痛を求めるものであり、何度も請求するものではありません。しかし、法律上、「慰謝料の請求は1人の相手方(=浮気・不倫をした側)に対して、1回しか行えない」という決まりがあるわけではないので、合理的な理由があれば追加で慰謝料を請求できる場合があります。
「慰謝料を請求して支払ってもらったけど、やっぱりその金額では納得できない」、「解決したと思いきや、再び浮気をされてしまった」というときに、不倫相手に再度慰謝料を追加で請求することを、「追加請求」といいます。
【浮気・不倫をされた側】慰謝料の追加請求ができるケースとは?
慰謝料の追加請求ができる主なケースとは、ざっくりと言えば、慰謝料を支払ったあとに、配偶者が再度凝りもせずに同じ相手と浮気・不倫をした場合や、別の相手と浮気・不倫をしたような場合です。
以前と同じ相手と浮気・不倫関係が続いていた場合
「慰謝料を支払ってもらい、配偶者と不倫相手との関係はもう終わったと考えていたのに…。ある日偶然、また同じ人と不倫をしている証拠を発見!!」
そんな場合には、再度その後の不倫行為に対して、同じ不倫相手に追加で慰謝料請求をできる場合があります。
以前と異なる(新しい)相手と浮気・不倫した場合
浮気・不倫をした場合には、不貞行為に基づく不法行為が成立します。そして、この不貞行為に基づく不法行為とは、個人ごとに発生するものです。たとえばAさんとの間での不貞行為に基づいて慰謝料を請求し、Aさんから慰謝料を支払ってもらったとしても、その後Bさんと浮気・不倫をした場合には、Bさんとの間での不貞行為に基づいて、Bさんにも慰謝料を追加で請求できる可能性があります。
【浮気・不倫をされた側】慰謝料の追加請求をするための手続と流れ
相手方に慰謝料を再度請求して、慰謝料を支払ってもらうように交渉することになります。任意交渉で相手方が支払いに応じない場合には、裁判で慰謝料を支払ってもらうように請求していくことになるでしょう。不倫相手側は「すでに一度慰謝料を支払ったので、もう支払う義務はありません」と否定して、争ってくるケースが多いと思います。
慰謝料を追加請求できるかどうかについては、法的判断が必要となるので、不要な争いに発展する前に弁護士にまず相談することをおすすめします。
【浮気・不倫をした側】慰謝料の追加請求を未然に防ぐ方法と注意すべきポイント
浮気・不倫をした側からすれば、「慰謝料をせっかく支払ったのに、あとからその金額ではやっぱり足りなかったなどといって、慰謝料をまた請求されるかもしれない」という不安があると思います。ここからは、追加請求を受けないようにするために、気をつけるべきポイントについて解説していきます。
「念書」には法的な効力がない場合もあるので注意!!
たとえば、「念書で定めた以上の慰謝料を請求しません」といった内容の念書を作成し、合意して慰謝料を支払った場合でも、追加請求されることがないとは言えません。その念書にお互いの署名があったとしても、その署名が自筆ではなくワードで作成された等の場合には、後々争いとなった際に、「誰が作ったか分からない」というような争いが生じて、「その念書に法的効力がない」と判断される可能性があります。
そのようなことにならないため、あとから法的効力が争われないようにするために、示談書・公正証書といったきちんとした形式の書面を作成しておく必要があります。
示談書・公正証書を作成すること
示談書・公正証書を作成しないで口約束だけで慰謝料を支払ってしまった場合、口約束では支払い金額や条件等があいまいになってしまうため、あとから慰謝料の追加請求を受ける可能性が出てきてしまいます。そんなときは、示談書・公正証書を作成して、支払金額・条件等を定めてきっちりと合意することで、後日の追加請求を未然に防ぐことができるのです。
清算条項を忘れずに盛り込むこと
示談書・公正証書を作成する際に、配偶者と不倫相手との間で「本件に関し本合意書に定めるもののほか何らの債権債務のないことを相互に確認する」といった内容のいわゆる「清算条項」をつけて合意することで、後日の追加請求を防止することができます。
わかりやすく言い換えると、示談書や公正証書のなかで定めたこと以外には、相手から一切何も請求できなくなるのです。
以前に支払った慰謝料の証拠を残しておくこと
示談書・公正証書で合意して、きちんと慰謝料を支払った場合でも、慰謝料を支払った証拠がない場合には、「相手方から慰謝料が支払われていない」と主張され、後日追加請求されることも考えられます。そのため、慰謝料を支払った証拠を残しておくことが重要となります。
慰謝料請求のタイミングは?“もしも”のときのために、知っておくべきこと
慰謝料を請求するタイミングは?
慰謝料を交渉するタイミングは案件によってさまざまで、慰謝料問題を示談したあとに離婚についてを話し合っていく、もしくは、離婚をしたあとに慰謝料問題を示談していくといったようにいずれの場合もあります。裁判上、慰謝料を請求する場合には、離婚したほうが慰謝料額の相場が高くなるので、その意味で、“慰謝料を請求する場合は、離婚したあとで慰謝料問題について示談したほうがいい”ということになるでしょう。
他方で、不倫相手が浮気・不倫を素直に認めており、離婚するかどうかで揉めて時間がかかってしまうような場合には、先に慰謝料問題について示談をして、その後離婚について協議していくほうがいいというケースもあります。
“もしも”に備えて、知識を身につけておこう
浮気・不倫問題を解決していくためには、関連する法的知識や一般知識等を身につけておく必要があるかもしれません。たとえば、「法的に見て、どういう場合に慰謝料を請求することができるのか」、「いつまで慰謝料を請求できるのか」、「慰謝料の相場はいくらなのか」といった知識を、インターネットや本などを通して少し触れておくと、弁護士に相談して、弁護士の説明を聞くときに、より理解がしやすくなると思います。
【まとめ】浮気・不倫の慰謝料請求は、無料相談ができるアディーレの弁護士におまかせください!
アディーレ法律事務所では、これまで多数の浮気・不倫問題のご相談・ご依頼を受けて、依頼者の方のご納得いただける結果へ導いてきた実績があります。また、アディーレ法律事務所には全国各地に支店があり、不倫慰謝料に詳しい弁護士が多数所属していますので、お近くの支店でも、お電話でも、気軽にご相談いただけます。慰謝料請求を考えている方、また、慰謝料請求をされてしまった方など、浮気・不倫に関するお悩みやトラブルを抱えていらっしゃる方は、ぜひ当事務所の無料相談をご利用ください。アディーレがきっと、あなたの力になります。
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。