浮気相手への対処法とは?してはいけないことや相手の特定方法を解説
夫(妻)の浮気が発覚したら「浮気相手が許せない」、「浮気相手に仕返ししたい」と思うのは当然です。
しかし、感情に任せて行動してしまうと、思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。
そこでこのページでは、浮気相手にしてはいけないことに加え、浮気相手への適切な対処法を解説します。浮気相手の特定方法などもご紹介していますので、適切に対処するためにもぜひ最後までご覧ください。
目次
このページでわかること
浮気相手にしてはいけないこと
浮気相手を許せない気持ちはわかりますが、感情的に行動してはいけません。
浮気相手と配偶者の間に不貞行為(法律上の浮気)がなかった場合、あなたが責任を追及されるおそれがあるためです。
また、不貞行為があったとしても、不適切な対応をすると、損害賠償を請求されたり、慰謝料が減額されたりする可能性もあります。
具体的には、以下のような行為をしないよう注意が必要です。
浮気相手の自宅や職場へ怒鳴り込む
感情的になって浮気相手の自宅や職場に怒鳴り込んだり、電話をかけたりするのはやめましょう。
不適切な発言をしてしまうと、浮気相手から「脅迫・恐喝された」と訴えられるおそれがあるためです。万が一暴力を振るってしまった場合、刑事事件にも発展しかねません。
また、あなたの行動が原因で第三者に浮気の事実が知られてしまった場合も、名誉毀損罪にあたると判断されて法的責任を問われるおそれがあります。
浮気相手に退職を強要する
職場不倫の場合、浮気相手と配偶者が今後も接触する機会があるため、心配になるでしょう。しかし、浮気相手に退職を強要することはできません。
退職する・しないというのは、会社と浮気相手の雇用契約の問題だからです。
場合によっては、強要罪にあたると判断されて法的責任を問われるおそれがあります。
ただし、浮気相手が自分の意思で退職する場合は問題ないため、退職の意思を確認するのは一つの手段です。
浮気の事実を言いふらす
浮気相手の会社や友人・知人などに浮気を言いふらすことはもちろん、SNSで浮気相手の名前を出して浮気の事実を拡散することも、絶対にやめましょう。
名誉棄損罪にあたると判断されて、法的責任を問われるおそれがあるためです。
特にSNSで拡散してしまうと、浮気相手と同姓同名の人の名誉を傷つけてしまう可能性もあります。
SNSの普及により、感情的になって拡散してしまうケースも珍しくないため注意が必要です。
浮気相手への適切な対処法
このように、あなたの言動によってはあなたが反対に罪に問われてしまうおそれがあります。そのため、法的に認められた範囲内で浮気相手に責任を取らせることが大切です。
浮気相手に言い逃れをされないためにも、まずは証拠を集めましょう。
そのうえで、以下のように適切な対処をする必要があります。
浮気相手に慰謝料を請求する
配偶者と浮気相手の間に「不貞行為」が認められた場合、浮気相手に対して慰謝料を請求できます。
まずは、証拠をもとに浮気相手と話し合い、慰謝料を請求しましょう。
直接話合いができればよいですが、感情的にならないためにメールや書面などで話し合うという方法もあります。
なお、浮気相手が話合いに応じない場合や、話合いで解決しない場合は、裁判を提起することも検討しましょう。
詳しくは以下のページもご覧ください。
浮気相手に浮気をやめるよう約束させる
夫婦関係を再構築したい場合には、配偶者と浮気相手の関係を確実に断ち切るべきです。
そのため、浮気相手に浮気をやめるよう要求し、合意しておきましょう。
合意できた場合には、誓約書を作成しておくとより安心です。
誓約書は、浮気した配偶者に書かせることが多いですが、浮気相手に書かせることもできます。また、慰謝料を請求しない場合にも作成することが可能です。
誓約書には、一般的に以下のような内容を記載します。
- 浮気の事実を認め謝罪する文言
- 浮気をやめること
- 今後は二度と会わないこと(職場不倫の場合、職務と関係なく接触しないこと)
- 慰謝料の金額や支払方法・支払時期
- 約束を破ったときのペナルティ など
誓約書を作成しておけば、浮気の再発防止に繋がります。
将来、配偶者と離婚することになった場合にも、交渉を有利に進めるために役立つでしょう。
弁護士に相談する
浮気相手への慰謝料請求や、浮気をやめるよう約束させることは、ご自身でも可能です。
しかし、浮気相手との交渉や書面の作成には時間や労力がかかるため、大きなストレスになるおそれがあります。なかには、浮気相手が交渉に応じない場合もあるでしょう。
そのため、弁護士に相談し、浮気相手への適切な対処をしてもらうことも一つの手段です。
弁護士であれば、あなたの代わりに浮気相手とのやり取りや交渉、書面の作成などを一貫して行えます。
裁判になった場合にも対応してもらえるため、安心です。
浮気相手を特定する方法
浮気相手へ慰謝料を請求するためには、浮気相手の氏名・住所または勤務先を特定しなければなりません。
一般的に、浮気相手を特定する方法として以下の3つが考えられます。
- 調査会社に依頼する
- 弁護士に依頼する
- 自分で調べる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
調査会社に依頼する
興信所や探偵事務所などの調査会社に依頼すれば、浮気相手の氏名や住所などを調査してもらえます。
調査会社は探偵業の届出をし、「探偵業法」という法律に則って調査をしているため、安心です。
また、浮気相手の特定と併せて証拠の収集を依頼し、「調査報告書」を作成してもらえば、慰謝料を請求する際に有効な証拠として役立ちます。
ただし、調査会社への依頼は費用が高額になることもあるため注意が必要です。調査費用については、事前によく確認しておいたほうがよいでしょう。
弁護士に依頼する
弁護士だけが利用できる弁護士会照会制度や職務上請求(交付請求)により、浮気相手の氏名や住所を特定できる可能性があります。
ただし、弁護士会照会や職務上請求(交付請求)をするには、以下のような情報が必要です。
- 浮気相手の電話番号
- 浮気相手の携帯電話のメールアドレス(キャリアメール)
- 浮気相手のLINEのID
- 浮気相手の車のナンバー など
弁護士に依頼すれば、浮気相手の特定だけでなく、慰謝料請求について一貫してサポートしてもらえるため安心です。
自分で調べる
可能な場合には、自分で浮気相手の情報を調べることも一つの手段です。たとえば、以下のような方法が考えられます。
- 配偶者の携帯・スマートフォンをチェックする
- 配偶者のSNSをチェックする
- 配偶者や浮気相手を尾行する
- 配偶者に自白を促す
ただし、やり方によってはあなたが罪に問われてしまうおそれもあるため注意が必要です。
自分で浮気相手を特定する際の注意点
自分で浮気相手を特定する場合や、調査会社や弁護士への依頼前に浮気相手の情報を収集する場合、違法性を疑われる方法で行うとあなたが法的責任を問われてしまいます。
具体的には、以下のような行為をしないよう注意が必要です。
- 勝手に配偶者の携帯・スマートフォンのロックを解除して中身を確認する
- 勝手に配偶者のSNSにログインしてやり取りを確認する
- 勝手に配偶者のスマートフォンにデータを盗める不正アプリをインストールする
- 盗聴・盗撮、住居への侵入、ストーカー行為をする
- 配偶者に自白の強要・脅迫をする
このような行為をしてしまうと、あなたが損害賠償請求をされたり、処罰を受けたりするおそれがあります。
浮気相手に関するよくある質問
浮気相手への対応などについて、お客さまからよく寄せられる3つのご質問にお答えします。
浮気相手と配偶者の間で使われる連絡方法にはどんなものがありますか?
以下のような方法で連絡を取っている可能性があります。
- 電話
- LINEなどのトークアプリ
- PC、携帯・スマートフォンなどのメール
- SNSやゲーム内のダイレクトメッセージ
- Chatwork、Skypeなどのチャット・会議ツール
浮気相手の家族(両親)に慰謝料を請求することはできますか?
できません。慰謝料を支払う責任があるのは浮気相手本人であるためです。
ただし、両親が「任意」で支払いに応じる可能性はあります。
なお、浮気相手が未成年の場合には、法定代理人(両親であることが多い)を窓口として慰謝料を請求します。
浮気相手が複数いる場合、全員に慰謝料を請求することはできますか?
可能です。
複数の浮気相手に慰謝料を請求する場合、浮気相手ごと個別に交渉します。
なお、配偶者が複数の相手と浮気していたからといって、一人の浮気相手に対し請求できる慰謝料が倍増することはありません。
浮気相手への適切な対処をするなら、弁護士にご相談を
浮気相手に対し感情的に行動してしまうと、場合によってはあなたが責任を問われてしまう事態になりかねません。そのため、法的に認められた範囲で適切に対処する必要があります。
浮気相手に対し慰謝料を請求するのであれば、弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に依頼すれば、交渉や書面の作成を一貫してサポートしてもらえます。
また、弁護士であれば弁護士会照会や職務上請求(交付請求)をすることで浮気相手の氏名・住所を特定できる可能性があります。
「浮気相手の電話番号や勤務先しかわからない」といった場合でも対応してもらえるため、安心です。
アディーレ法律事務所では、浮気・不倫の慰謝料請求に関するご相談を何度でも無料で承っております。まずはお気軽に、あなたのお話をお聞かせください。
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。