慰謝料が高額になるのは、どのようなケース?
浮気・不倫の慰謝料の裁判上の相場は、およそ数十万円~300万円程度ですが、さまざまな事由で、裁判上の相場より高額になることがあります。たとえば、以下のようなケースです。
- 浮気・不倫相手の認識・意図
- 浮気・不倫相手に、あなた方夫婦の平穏・円満な生活を積極的に破壊する意図や言動がある場合です。たとえば、浮気・不倫相手が、夫婦を離婚させて自分があなたの夫(妻)と結婚しようと画策したり、不貞行為が発覚した後もその関係を継続したりしたときなどです。
- 不貞行為の具体的な内容と回数
- 浮気・不倫が一度だけでなく、複数回に及んだ場合です。また、浮気・不倫をした夫(妻)と浮気相手が同棲をしていたら、さらなる増額の理由になります。
- 不貞行為による妊娠・出産
- 浮気・不倫中に妻または浮気相手が子どもを妊娠・出産すれば、夫婦の平穏・円満な生活に与えたダメージは大きいと見なされて、慰謝料の金額は高額になります。
- 浮気・不倫の主導者
- 浮気・不倫を主導していたのが、相手方だった場合、増額の理由となる可能性があります。たとえば、妻(夫)と浮気相手が同じ勤務先で、妻(夫)が浮気相手の部下であり、浮気相手から妻(夫)を誘って肉体関係を持った場合、部下と上司という関係上、妻(夫)は浮気相手からの誘いを断りにくかったと考慮されるからです。
- 不貞行為の否認
- 浮気・不倫相手と肉体関係を持っていたにもかかわらず、「浮気はしていない」と嘘をついた場合、反省がなく悪質であるとして慰謝料が増額される傾向があります。
- 浮気・不倫相手の約束違反
- 浮気・不倫が発覚し、相手が不貞行為を二度としないと約束したにもかかわらず、その約束を破って再び不貞行為をした場合、相手は悪質であると判断されて、慰謝料の増額理由になります。
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。