慰謝料トラブルにおける和解書(示談書)とは?
浮気・不倫問題を解決する方法の一つとして、「交渉での解決」がありますが、その際に作成するのが「和解書」です。「和解書」は、交渉で決定したあらゆることを記録し、解決後のトラブルを防ぐために作成します。示談書、合意書、契約書と呼ばれることもありますが、書面の呼び方によって法的効力は変わりません。
和解書(示談書)を作成する目的とは?
和解書を作成せず口約束の場合、慰謝料の未払いや異なる金額の請求などのトラブルが起こる可能性があります。和解書はそれらを未然に防ぐために作成します。また、裁判の際に、裁判所が事実関係を判断する“証拠”としても利用されます。
和解書(示談書)を作成する際の注意点
- (1)記載内容は曖昧にしない
- 和解書に記載する主な項目は、浮気・不倫の事実関係、慰謝料の金額・支払い方法、誓約事項、清算条項などで、記載内容は個々のケースによって異なります。曖昧にせず、合意内容に違反した場合の条項などには特に注意して具体的に記載しましょう。
- (2)和解書の内容を相手任せにしない
- 「不倫相手と一切関わらせたくない」、「慰謝料を何度も請求されたくない」などの重要事項があれば、和解書に記載するべきです。ただし、記載する内容を相手方に決めさせると、こちらの希望する内容が含まれない可能性もあります。そこで、和解書の作成を相手任せにせず、作成の主導権を握ることもトラブルを未然に防ぐポイントです。
- (3)弁護士などの専門家に依頼する
- 和解して書類を作成した後は、原則として交渉のやり直しができません。安易に譲歩して和解書を作成し、あとで内容について後悔したり、再請求されるなどのトラブルが起きたりすることを防ぐために、本人同士で和解書を作成せずに、弁護士などの介入をおすすめします。交渉時から依頼しておけば、早期に問題解決ができる可能性は高くなります。
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。