公正証書とは?
「慰謝料の支払いに関する公正証書を作成したほうがいい」というアドバイスをされたことがある方もいらっしゃると思います。公正証書とは、法律に従って作成する公文書のことで、浮気・不倫に慰謝料の支払いなどにおいて、将来、起こりうるトラブルを未然に防ぐために作成する書類です。公正証書には、相手との合意内容に従って、事実関係、慰謝料の金額・支払い期日と方法、遅延損害金、清算事項、強制執行、守秘義務などについての記載がされます。
公正証書を作成する目的とは?
公正証書には、裁判の判決と同等の効力が認められます。そのため、慰謝料の金額・支払い方法などを公正証書にしておくと、相手の慰謝料の支払いが滞るなどのトラブルが起きた場合に、相手の給料や財産などを差し押さえる(強制執行)ことが可能です。通常、強制執行を行うためには、判決を取る必要がありますが、公正証書に強制執行に服する旨の条項を入れて作成しておけば、判決は必要ありません。長期間にわたる分割払いのケースなど、相手方の支払い能力に不安がある場合などは、公正証書の作成をおすすめします。
公正証書を作成する際の注意点
公正証書には、和解書とほぼ同内容が記載されますが、公正証書を作成する公証人は、弁護士と違って一方に有利な代理人ではありません。そのため、ご自身で対応する場合、不利にならない公正証書を作成するためには、公証人に対して、相手方との合意内容を具体的かつ正確に伝えなければなりません。また、公正証書は勝手に作成することができないため、あらかじめ相手方と話し合い、合意しておく必要があります。
公正証書の作成費用
公正証書を作成するためには費用(作成手数料)がかかります。作成手数料は、慰謝料の金額などによって異なります。
目的物の価額(慰謝料の金額) | 作成手数料 |
---|---|
100万円以下 | 5,000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
200万円を超え500万円以下 | 1万1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 1万7,000円 |
※公正証書の作成手数料は、法務省令で定める枚数の計算方法により、4枚(法務省令で定める横書の証書は3枚)を超える場合は、1枚増えるごとに250円が加算されます。
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。