【専業主婦の方必見】離婚したいけどお金がない…不安を減らし離婚する方法

- 公開日:2025年2月21日
- 更新日:2025年02月21日
離婚をお考えの方のなかには「お金がなくて離婚に踏み切れない」という方も多いのではないでしょうか?
特に、専業主婦(主夫)などで収入がない・少ない方であれば、離婚後の生活に対する不安も大きいことでしょう。
そこでこのコラムでは、離婚にかかるお金や、離婚するときに受け取れる可能性のあるお金について解説するとともに、離婚したいけどお金がないときの対処法をご提案します。
離婚とお金の正しい知識を身につけることで、あなたの不安を解消できるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。
目次
この記事を読んでわかること
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離婚するために必要なお金
離婚をする際には、主に以下のような費用がかかります。
- 離婚の手続費用
- 弁護士費用
- 引越し・生活費用
それぞれ詳しく見ていきましょう。
離婚手続の手続費用
離婚の方法によって、以下のような費用がかかります。
離婚方法 | 費用 |
---|---|
協議離婚 | 公正証書の作成費用・送達費用等 |
調停離婚 | 調停の申立費用 |
裁判離婚 | 裁判の提起費用 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
協議離婚
協議離婚は夫婦間の話合いで離婚を成立させる方法であるため、手続自体に費用がかかることはありません。
ただし、合意内容を記載した離婚協議書を公正証書として作成する場合には、取決めた養育費や財産分与などの金額に応じた作成費用がかかります。
具体的な金額は以下の通りです。
金額の合計 | 手数料 |
---|---|
100万円以下 | 5,000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
200万円を超え500万円以下 | 11,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 17,000円 |
1,000万円を超え3,000万円以下 | 23,000円 |
3,000万円を超え5,000万円以下 | 29,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 43,000円 |
調停離婚
離婚調停を申し立てる際には、主に以下の費用がかかります。
費用の項目 | 金額 |
---|---|
収入印紙代 | 1,200円 |
切手代 | 1,000円程度(裁判所によって異なる) |
夫婦の戸籍謄本の取得費用 | 450円 |
年金分割のための情報通知書の取得費用 | 1,200円 |
このほか、必要書類の取得費用や調停調書の交付手数料、その他交通費などの実費がかかります。
裁判離婚
離婚裁判を提起する際には、主に以下の費用がかかります。
費用の項目 | 金額 | |
---|---|---|
収入印紙代 | 離婚のみ | 13,000円 |
財産分与 | +1,200円 | |
養育費など子の監護に関する処分 (1人あたり) |
+1,200円 | |
慰謝料 | 請求額によって異なる(※) | |
切手代 | 6,000円程度(裁判所によって異なる) | |
夫婦の戸籍謄本の取得費用 | 450円 | |
年金分割のための情報通知書の取得費用 | 1,200円 |
※離婚のみ(13,000円)と慰謝料請求の手数料を比較し、いずれか高いほうの収入印紙代がかかります。
このほか、必要書類の取得費用や交通費などの実費、鑑定や証人尋問を実施する場合は家事予納金などが必要になる場合もあります。
弁護士費用
離婚について弁護士に交渉や調停・裁判の対応を依頼する場合、弁護士費用がかかります。
弁護士費用の内訳は、大きく分けて以下のとおりです。
- 相談料
- 着手金
- 報酬金
- 実費・日当・手数料 など
離婚の弁護士費用は、交渉のみで解決するか、裁判所の手続を利用して解決するかによっても異なります。
詳しくは以下のコラムで解説していますので、参考にしてみてください。
引越し・生活費用
離婚後や離婚前に別居する際に、あなたが現在住んでいる家を出ていく場合には、以下のような費用が発生します。
- 引越し費用
- 新しい住居の初期費用
- 家具や家電の購入費用 など
なお、実家の協力が得られる場合は、アパートやマンションを借りるのではなく実家に住まわせてもらうのも選択肢の一つです。
そうすれば、新しい住居の初期費用などがかからないため、費用を大幅に抑えることができるでしょう。
離婚するとき受け取れる可能性のあるお金
離婚をするときには、お金に関するさまざまな条件を取り決めます。具体的には、以下のような条件です。
- 財産分与
- 慰謝料
- 養育費
- 年金分割
これらの条件を取り決めることで、離婚の際や離婚後にお金を受け取れる可能性があります。
以下で詳しく見ていきましょう。
財産分与
離婚の際には、夫婦の実質的共有財産(名義にかかわらず婚姻中に夫婦が協力して築いた財産)を「財産分与」として分配することが法律で認められています。
財産分与をすると、原則として夫婦の実質的共有財産の2分の1を受け取ることが可能です。
そのため、離婚時にきちんと財産分与をしておけば、離婚後の経済的な不安を軽減できるでしょう。
また、夫婦の一方が「長年専業主婦(主夫)だった」、「高齢・病気などで働けない」など、離婚によって生活が困窮する特別な事情があるケースでは、生計を補助するための財産分与が認められることがあります(扶養的財産分与)。
扶養的財産分与を取り決めた場合、離婚したあと経済的に自立するまでの間、定期的に一定額を支払ってもらうことになります。
慰謝料
たとえば、不貞行為や暴力などで配偶者が離婚原因を作ったケースでは、配偶者に対して慰謝料を請求できる可能性があります。
一般的に、離婚に伴う慰謝料の裁判上の相場は、100万円~300万円程度であることが多いです。
ただし、慰謝料の金額は「離婚原因の内容」や「婚姻期間の長さ」、「精神的苦痛の程度」など、さまざまな事情を考慮して決まるため、相場よりも低額になるケースもあれば、高額になるケースもあります。
養育費
離婚後にあなたが子どもと一緒に暮らす場合には、配偶者に対して子どもが経済的・社会的に自立するまでの生活費、医療費、学費などを養育費として請求できます。
養育費の金額は、裁判所が公表している養育費算定表をもとに、子どもの人数・年齢や親の年収・職業などに応じて算出するのが一般的です。
たとえば、子どもが1人・養育費を支払う親の年収が400万円のケースでは、親の職業に応じて月々4万円~10万円程度を目安に養育費を受け取れる可能性があります(※)。
ご自身が受け取れる養育費の目安を知りたい方は、以下のツールでおおよその金額をチェックしてみてください。
※養育費を受け取る親の年収が0円で、養育費を支払うほうの親が再婚していない場合を想定。
年金分割
配偶者が民間の会社員・公務員として働いており、厚生年金に加入していた場合には、年金分割を請求することが可能です。
年金分割の手続をすると、婚姻期間中の配偶者の厚生年金保険料の納付実績の一部(原則として2分の1が上限)が分割され、将来受け取れる年金額が増えるため、老後の経済的な安定を図ることができます。
特に長年、専業主婦(主夫)だった方が熟年離婚をするケースでは、年金分割をすることで将来受け取る年金額が大きく変わる可能性もあるため、とても重要な手続です。
ただし、あくまで将来受け取る年金額に反映されるもので、離婚時にお金を受け取れるわけではありません。
また、配偶者が受け取る年金そのものを分割してもらう制度ではない点には注意が必要です。
離婚したいけどお金がないときの対処法
金銭的な不安があり離婚に踏み切れない場合には、以下のような選択肢をとることが考えられます。
- 経済的に自立してから離婚する
- 婚姻費用を請求し別居する
- 夫婦間の話合いによる離婚を目指す
- 有利な条件での離婚を目指す
- 離婚後に公的支援を受ける
それぞれ詳しく解説します。
経済的に自立してから離婚する
経済的に自立してから離婚をすれば、離婚後の生活に対する不安も軽くなるはずです。
たとえば専業主婦(主夫)の方などは、あらかじめ就職してお金を貯めておくことで、離婚後もスムーズに新しい生活を始められるでしょう。
一方で、経済的に自立してから離婚するとなると、ある程度の時間を要します。
夫婦関係が悪い場合には、離婚を先延ばしにすることでストレスが溜まったり、子どもに悪影響を与えたりしてしまうおそれもあるため、注意が必要です。
婚姻費用を請求し別居する
お金の心配はあるものの、夫婦生活にストレスを感じていて一日も早く配偶者と離れて暮らしたい場合、まずは別居することを検討してもよいかもしれません。
別居する際、あなたに収入がない・配偶者よりも収入が少ないのであれば、配偶者に対して別居中の生活費(婚姻費用)を請求できます。
子どもを連れて別居する場合には、子どもの養育・教育にかかる費用も含めて請求することが可能です。
婚姻費用を受け取りながら別居をし、その間に離婚後の生活を見据えて経済的な自立を目指すのも一つの手段だといえます。
夫婦間の話合いによる離婚を目指す
弁護士費用や裁判所への申立費用など、離婚手続にかかる費用を少しでも抑えたいのであれば、夫婦間の話合いによる離婚を目指すとよいでしょう。
ただし、話合いがこじれて調停や裁判に発展してしまうことも少なくありません。そうなると、金銭面だけでなく時間的・精神的な負担も大きくなってしまいます。
そのため、状況に応じ、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することも検討しましょう。
弁護士や法律事務所によっては、離婚の話合いに関するアドバイスを受けられるプランを用意している場合があります。
そのようなプランを利用すれば、弁護士費用を大きく抑えながら必要なサポートを受けられるはずです。
有利な条件での離婚を目指す
財産分与・慰謝料・養育費・年金分割について有利な条件で合意ができれば、離婚後の金銭的な不安も軽くなるでしょう。
特に慰謝料などは、夫婦の資産や収入だけでなく、交渉の方法などによっても支払ってもらえる金額が変わることがあります。
そのため、少しでも有利な条件で取決めをしたいのであれば、弁護士に依頼するのがおすすめです。
離婚後に公的支援を受ける
離婚後に子どもと一緒に暮らす場合、ひとり親家庭のための公的支援を受けられる可能性があります。公的支援を受けられれば、離婚後の経済的な負担が軽くなるでしょう。
たとえば、代表的なものとして以下のような支援制度があります。
- 児童扶養手当
- 児童手当
- ひとり親家庭住宅手当
- ひとり親家庭に対する医療費補助制度 など
※お住まいの市町村によって異なる
ほかにも、住居や就職、貸付等に関するさまざまな優遇や支援があるため、利用できるものがあるか事前に確認しておくと安心です。
まとめ
金銭的な不安から、離婚を踏みとどまる方は少なくありません。
しかし、離婚時の取決めによって受け取れるお金や、離婚後に自治体などから受けられる公的支援もあります。状況に応じて最善の選択肢をとることで、お金の不安を解消できるかもしれません。
「別居して婚姻費用を請求したい」、「協議離婚を目指したい」、「有利な条件で離婚したい」とお考えであれば、弁護士にご相談いただくのがおすすめです。
アディーレ法律事務所では、離婚問題に精通した弁護士がご相談を承っております。
少しでも有利な条件でスムーズに取決めができるようサポートいたしますので、まずはお気軽にお話しをお聞かせください。
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監修者情報

- 資格
- 弁護士
- 所属
- 東京弁護士会
- 出身大学
- 慶應義塾大学法学部
どのようなことに関しても,最初の一歩を踏み出すには,すこし勇気が要ります。それが法律問題であれば,なおさらです。また,法律事務所や弁護士というと,何となく近寄りがたいと感じる方も少なくないと思います。私も,弁護士になる前はそうでした。しかし,法律事務所とかかわりをもつこと,弁護士に相談することに対して,身構える必要はまったくありません。緊張や遠慮もなさらないでくださいね。「こんなことを聞いたら恥ずかしいんじゃないか」などと心配することもありません。等身大のご自分のままで大丈夫です。私も気取らずに,皆さまの問題の解決に向けて,精一杯取り組みます。