浮気・不倫における慰謝料の分割払いって利息も支払うの?
不倫の慰謝料を分割払いにする場合、合わせて利息も支払わないといけないと考える方がいらっしゃるかと思います。
しかし、慰謝料を支払う場合、支払いが遅れてもいないのに利息が発生することはありません。
また、慰謝料の支払いについて、利息を請求してくる相手方と交渉する際には、さまざまなリスクがあります。
本記事では、そのリスクについて、弁護士がわかりやすく解説いたします。
目次
この記事を読んでわかること
浮気・不倫の慰謝料を分割で支払うなら利息を支払っちゃダメ!
不倫の慰謝料として、100万円を支払えと言われたけど一括では支払えない… そのことを相手方に話したら、「月10万円をトータル10回の分割払いで支払ってほしい」と言ってくれた。だけど、追加で「分割払いにするなら利息が付くから、月11万円を10回の分割払いで支払ってください」と言われてしまった…
この場合、利息を支払わなければならないのでしょうか?
慰謝料の分割払いに“利息”という概念はない
慰謝料の支払いが遅れているわけでもないのに利息を支払うのは、弁護士からすると、とても違和感があります。というのも、利息とは、お金を貸した場合にその報酬として、返済時に合わせて支払うものだからです。そうすると、慰謝料の支払いは、借りたお金を返すものではないので、そもそも利息を付ける必要はないのです。
慰謝料について無知な相手方とやり取りを続けるのは危険
先ほどのとおり、「利息」はお金を借りたときなどに支払うものです。そのため、慰謝料の合意にあたって、必ず利息を付けなければならないわけではありません。 これにもかかわらず、慰謝料の分割払いに利息を付けることを要求してくる相手方は、慰謝料請求について無知である可能性が高いです。そのような相手方とやり取りを続けていると、今後も慰謝料請求について無理難題を押しつけてくるリスクがあります。 そのため、あなたが一度でも利息の支払いに応じてしまうと、さらに要求がエスカレートする可能性があるので、絶対に応じてはいけません。
慰謝料の分割払いで「利息を支払え」と言う人とやり取りするリスク
慰謝料の分割払いに利息を付けることを要求してくる相手方は、慰謝料請求について無知であることが多く、一方的に無理難題な要求をしてくるので交渉は難航します。本章では、どのような無理難題を押しつけてくるのか具体的に解説いたします。
おかしな額の慰謝料を請求される
不倫の慰謝料には、裁判上の相場があります。
相手方が結婚生活を続ける場合 | 数十万円~100万円 |
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相手方が結婚生活を続けない場合・ あなたの不貞行為によって不倫相手が妊娠した場合 |
100万円~300万円 |
※交際期間や相手方の結婚期間の長さなどの個別事情によって金額は異なります。
相手方がムチャな要求をしてくるような人だと、特に事情がないのにいきなり300万円を請求されるなど、相場よりも高額な請求をしてくるおそれがあります。
慰謝料を支払ったのに追加で請求される
不倫の慰謝料を一度支払っても、相手方が追加で請求してこないとは限りません。過剰な要求をしてくるような人であれば、あとから「よく考えれば金額が少なかった」などと言って、慰謝料を追加請求されるかもしれません。同じ不貞行為の慰謝料として追加で請求されることを防ぐために、追加で請求しないことを相手と約束し、書面にしておく必要があります。
そもそも分割払いを断られるおそれがある
利息の支払いを拒否した場合、相手方は分割払い自体を拒否してくることがあります。分割払いにしてもらう条件として、利息を支払うことになれば、本来支払う必要のないお金(慰謝料)まで支払うことになり、あなたが損をしてしまいます。本来、分割払いには利息を付ける必要はありませんが、相手方が無知なばかりに、当事者間での交渉自体が困難になることがあります。
利息を支払う必要はないと説明できるか不安ですよね?
利息を支払う必要はないとしても、相手方に納得してもらえるようにうまく説明できなければ、交渉は難航します。
法律知識に無知な相手方の主張に押し切られ、支払う必要のない利息を支払う羽目になる可能性も否定できません。そのような事態に陥らないためにも、まずは相手方を交渉の土台に乗せることが肝心です。
そこで、弁護士を付けて交渉をすれば、相手方の無理な主張にも適切に反論することができます。
まとめ
慰謝料を分割払いにしても、利息を付ける必要はありません。しかし、知識がないために利息を支払うことに同意してしまい、あなたが損をすることもあります。さらに、本来支払わなくてもよい利息を求めてくるような相手方は、過剰な要求をする傾向にあり、当事者間での交渉が難しくなることが多いです。
その点、弁護士であれば、相手方の無理難題に対しても適切な反論ができます。アディーレ法律事務所では、これまで多数の浮気・不倫の慰謝料トラブルを取り扱ってきました。相手方との交渉の難航が予想される場合には、ぜひアディーレ法律事務所の無料相談をご活用ください。
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。