浮気・不倫の慰謝料の相場はいくらぐらい?
実は、法律上の浮気・不倫、すなわち不貞行為による慰謝料の金額は、法律で基準が定められているわけではありません。
裁判を起こした場合は、個別の事情等を考慮しながら最終的に裁判所が慰謝料の金額を決定します。また、交渉の場合は、裁判例を目安としながら交渉を行い、合意を図っていきます。慰謝料の裁判上の相場は、一般的におよそ数十万円~300万円の範囲内と言われており、交際期間や、浮気・不倫が原因で別居や離婚に至った場合など、個人の事情や状況により慰謝料の金額は変わります。
離婚をする場合としない場合の慰謝料相場
浮気・不倫の慰謝料の裁判上の相場(目安) | |
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婚姻関係が破綻・離婚をする場合 | およそ100万円~300万円 |
婚姻関係が破綻していない・離婚をしない場合 | およそ数十万円~100万円 |
慰謝料の金額に関する判例
浮気・不倫が原因で慰謝料を請求された場合、どのようなケースで慰謝料がいくらになるのかについては、過去の判例が相場の目安になります。
事案 | 浮気が原因で夫婦関係が破綻したことに対する慰謝料請求 |
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不倫相手(男性)の妻からの慰謝料請求 | 50万円 |
浮気相手夫婦の婚姻期間 | 4年 |
浮気相手夫婦の子どもの有無 | あり |
請求してきた相手 | 浮気相手の妻 |
概要 |
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解説 |
などが、被請求者にとって慰謝料の減額要素となり、夫婦が離婚しない場合の相場の範囲内である50万円という金額が導かれたものと考えられます。 |
事案 | 同棲している浮気相手(女性)の夫からの慰謝料請求 |
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認められた慰謝料の金額 | 110万円 |
浮気相手夫婦の婚姻期間 | 13年 |
浮気相手夫婦の子どもの有無 | あり |
請求してきた相手 | 浮気相手の夫 |
概要 |
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解説 |
など、増額要素が多数ありますが、
など、減額要素が大きく影響され、夫婦が離婚をする場合の相場の下限に近い110万円という金額が認定されたものと考えられます。 |
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。