彼氏がまさかの既婚者!黙っていた彼に慰謝料請求できる?
「彼氏が既婚者だった!結婚まで考えていたのに…」
交際していると、初めの頃にはわからなかった相手のことが、あとからわかることってありますよね。食べ物の好みであったり、性格であったり。
ただ、ときには知りたくないことを知ってしまうときもあります。
たとえば、「彼氏が既婚者だった!」なんて知ったときには、怒りしかないものです。「彼氏にウソをついていたことの責任をとらせたい!」と思うのも当然のことです。
今回は、独身だと思っていたのに彼氏が既婚者だとわかって悩んでいる方に向けて、法的にどんなことができるのかを弁護士が解説いたします。
目次
この記事を読んでわかること
彼氏に「独身」とだまされたら慰謝料を請求できる?
あなたは、彼氏が独身ではないとわかっていたら、もとより体の関係を拒否していたのではないでしょうか。
つまり、あなたが彼氏に嘘をつかれたから体の関係を持ってしまったのであれば、彼は、あなたを傷つけ、あなたの人生の時間も無駄にしたことになります。これは、法律上の「損害」として保護される場合があります。つまり、慰謝料を請求できる可能性があるのです!
どんな場合に慰謝料を請求できるの?
必要となる事実
男性から「独身」と嘘をつかれたことを理由に慰謝料請求をするには、以下の2つの事実が必要です。
※上記の①②がないと慰謝料を請求できないというわけではなく、よくある場合を想定して記載しています。
嘘をついたという事実が認められるには?
男性のなかには、「結婚なんてしていないよ!」と堂々と嘘をつく人もいます。ただ、よくあるケースとして、はっきりとは口にせず、なんとなく未婚者っぽい前提で話をしてくることがあります。実際に、女性(彼女側)としても、「これだけデートしているんだから、当然未婚だと思っていた」という方は多いです。
では、彼氏がはっきりと嘘をつかず、結婚していることをぼかしていた場合には、請求できないのでしょうか?「男性が既婚者なのに、あなたに対して未婚者だと嘘をついた」という事実は認められないのでしょうか?
はっきりと嘘をつかれていなくても請求できる!
彼氏がはっきりと嘘をついていなくても、実質的には、嘘をついていると言えるような場合があります。たとえば、以下のようなケースです。
マッチングアプリの登録条件
彼氏との出会いが、結婚前提のマッチングアプリだった場合は、当然、彼氏が未婚者である前提で、お付き合いが始まります。このケースでのポイントは、マッチングアプリが既婚者は登録禁止になっているか、既婚者は原則禁止になっているけれども既婚者も登録しているという現状があるかという点です。マッチングアプリで彼氏と知り合った方は、登録条件などを確認してみましょう。
「一人暮らし」の意味
また、彼氏の家に行くときに、彼氏が「一人で暮らしているよ」と言っていた場合、それが“単身赴任でしかなかった”というケースがあります。この場合は、当然、話の流れとして未婚である前提で、家に行って肉体関係を持つことになると思います。「一人で暮らしている」の意味が、“単身赴任であること”を指しているのか、一度確認してみましょう。
その他
ほかにも、結婚式場の見学に行った、二人で暮らすマンションを探した、友人に結婚相手として紹介したといった場合にも、当然、彼氏が未婚であると信じても仕方ないといえます。
上記の場合、男性がはっきりと嘘をついていないとしても、“客観的に見て未婚だと信じてしまう状況”になっていれば、実質的には、嘘をついたものと判断することもできます。
ただ、はっきりと嘘をつかれていない場合は、いわば、「状況証拠から判断する」こととなり、法律的な判断を必要としますので、法律に詳しい弁護士などに相談してみるのがいいでしょう。
慰謝料を請求するためにしておくべきこと
慰謝料を請求するためには、彼氏が「独身」と嘘をついていた、あるいは独身と信じられるような状況で交際していたことを裏付ける証拠が必要になってきます。たとえば、以下のような証拠です。
<証拠の一例>
- 彼氏から「独身」と言われたLINEやメールのやり取り
- 2人で会っているときに指輪をつけていない写真
- 知り合ったサイトにおいて、「独身者限定」などと書かれた規約やパンフレット
- マッチングアプリに書かれている彼氏のプロフィール
嘘をつかれたから慰謝料請求をしたいという場合、当然のことですが、証拠があるほうが有利になります。弁護士に相談するにしても、これらの証拠を用意しておくと話がスムーズに進みます。
慰謝料の相場
裁判では、彼氏に独身だとだまされてしまった場合の慰謝料として、数十万円から200万円、かなり悪質な場合には、300万円以上の慰謝料が認められています!
もちろん、事情によって異なりますので、「絶対にいくらもらえる!」というわけではありませんが、自分がどれくらい受け取れるのかについて、少しでも気になる方は弁護士に相談してみてください。
一番悪いのは彼氏!でもあなたにも責任が…!?
あなたは彼氏から嘘をつかれてしまった被害者です。そのため、だました彼氏が悪いのは間違いありません。
しかし、反対に、もしかしたらあなたが慰謝料を請求されてしまうかもしれません。どういうことでしょうか?
男性の奥さんは、あなたが男性(彼氏)から「独身だよ」と嘘をつかれているなんてことは知りません。逆に、男性の奥さんからすればあなたは、「自分の夫と浮気をした女性」ということになります。
もちろん、あなたは男性(彼氏)が独身だと思って交際しているので、浮気をしているつもりなんてないでしょう。ところが、奥さんから見れば、「自分の夫と浮気をした女性」ということになりますから、今度はあなたが慰謝料を請求されるというトラブルに巻き込まれてしまうかもしれないのです。
このようなトラブルに備えるうえでも、自分が嘘をつかれていたんだという証拠をしっかりと用意しておくことが重要となるのです。
お悩みならアディーレ法律事務所へご相談ください
「結婚まで考えていたのに、既婚者だったなんて…」
「大切な時間を取られ、人生を狂わされた…」
結婚を見据えてお付き合いしていたのに、彼氏にだまされていたとなると、精神的に非常につらいですよね。そんな彼氏に対して、慰謝料請求をすることを検討してみるのもよいかもしれません。
慰謝料を請求するには、「彼氏に独身だとだまされていた証拠」が必要です。一方で、男性(彼氏)の奥さんから見れば、「自分の夫と浮気をした女性」として、あなたが慰謝料を請求されてしまうリスクがあります。証拠が有効か、男性(彼氏)の奥さんから慰謝料請求をされたらどう対応すればいいかなど、トラブルの解決には法律知識や法的判断が必要となります。
彼氏が既婚者と知ってショックを受けている女性の方、どうしていいかお悩みの方は、ぜひアディーレ法律事務所にご相談ください!
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。