電話会議システムの利用について詳しく教えてください。
簡単に説明しますと、わざわざ裁判所へ行かなくても電話で手続を進めることができるという仕組みです。
たとえば、山口県で別居中の妻から、東京都に住んでいる夫へ離婚調停を申し立てたとしましょう。この場合、離婚調停は原則的に、相手方の住所地が管轄となりますから、東京の家庭裁判所まで行かなければなりません。
しかし、電話会議システムを利用すると、わざわざ東京の家庭裁判所まで行かなくても、電話で自分の主張等を行うことができます。
ただし、離婚が成立する場合(つまり、最後の調停)には、本人の意思を慎重に確認しなければならないため、必ず調停期日に家庭裁判所へ行くことが必要になります。
これまでの離婚調停(審判)では、電話会議システムは認められていませんでしたので、負担の軽減により、離婚調停を申し立てやすくなったといえるでしょう。
また、電話会議システムを利用することができれば、弁護士に依頼をした場合でも、弁護士が遠方へ出張する際に発生する交通費などの負担が大幅に軽減されますので、弁護士への依頼もしやすくなります。
なお、一部の家庭裁判所では、離婚調停をオンラインで行うWeb会議システムの利用が試験的に行われているほか、Web会議による離婚調停の成立、離婚の和解を可能とする家事事件手続法、人事訴訟法等の改正に関する法律が令和4年5月18日に成立し、同月25日の公布の日から4年以内に施行されることになりました(具体的な施行日は今後決定されます)。