カウンセラーによる離婚相談とは?相談するメリットや解決できる悩みを解説
- 公開日:2023年08月15日
- 更新日:2024年07月22日
夫婦関係や離婚のお悩みの相談先の選択肢の一つに、離婚カウンセラー・夫婦カウンセラーがあります。
ですが、「どんなことを相談できるの?」、「こんな相談してもいいの?」と疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、離婚カウンセラー・夫婦カウンセラーに相談できることや相談すべきではないケース、カウンセリングを受けるメリットについて解説します。
あなたの状況と照らし合わせて、カウンセラーに相談するのが適切かどうか確認してみてください。
目次
この記事を読んでわかること
離婚相談ができるカウンセラーとは?
離婚カウンセラーは特定非営利活動法人日本家族問題相談連盟、夫婦カウンセラーは一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定している民間資格です。
認定を受けたカウンセラーは、夫婦や離婚に関する基礎知識を有し、一定のカウンセリングスキルを備えているとされています。
法律に基づいて能力が判定される国家資格とは異なり、すべての資格保有者が必要十分な知識を持っているとは限りませんが、カウンセリングを受けることで客観的にあなたの離婚の悩みを聞いてもらえるでしょう。
そのため、あなたと相性のよいカウンセラーを見つけることができれば、心強い味方になるといえます。
離婚カウンセリングで相談できること
離婚カウンセラー・夫婦カウンセラーによるカウンセリングでは、主に以下のような悩みを相談できます。
- 離婚せず夫婦関係を修復・改善したい
- 離婚するべきか迷っている
- 離婚の危機を回避したい
離婚を前提とした相談だけでなく、夫婦の問題について幅広い相談ができるのが特徴です。
離婚カウンセリングを受けるメリット
夫婦関係や離婚の相談は、家族や友人にもできますが、離婚カウンセリングならではのメリットもあります。離婚カウンセリングを受ける大きな3つのメリットを見ていきましょう。
精神的に楽になる
「親に心配をかけたくない」、「身近な友人には話しにくい」など、離婚の悩みを誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
そんなとき、離婚カウンセラーや夫婦カウンセラーに話を聞いてもらえば、気持ちが楽になるはずです。
また、「つらい気持ちを楽にする方法を知りたい」という場合に、よいアドバイスがもらえる可能性もあります。
気持ちの整理や決断ができる
第三者に悩みを話し客観的な意見を聞くことで、自分の気持ちが整理され、「離婚するか・しないか」を決断するきっかけになることもあります。
気持ちの整理や決断ができれば、これからどのように行動するべきかを考えることができるため、状況が大きく前進するはずです。
離婚に必要な情報提供が受けられる
離婚を考えている方であれば、離婚に必要な手続や取り決めておくべき条件など、一般的な離婚の知識を教えてもらえる場合もあるでしょう。
なかには、必要に応じて各種専門機関の情報を教えてくれたり、紹介してくれたりするケースもあるようです。
離婚問題をカウンセラーに相談すべきではないケース
このように、離婚カウンセリングは離婚に関する幅広い相談に対応しています。
しかし、離婚カウンセラー・夫婦カウンセラーができるのは、話を聞いて心理的なアプローチでアドバイスをすることです。
そのため、以下のような場合は目的に応じた専門機関に相談しましょう。
- 浮気・不倫の調査・証拠の確保をしたい
- 悩みによって心身に異常をきたしている
- 離婚する意思が固まっている・離婚でトラブルになっている
それぞれ、詳しく解説していきます。
浮気・不倫の調査・証拠の確保をしたい
離婚カウンセラーは探偵業ではないため、法律上、浮気調査や証拠の確保などはできません。
そのため、配偶者に浮気の疑いがあり調査したい場合や、浮気の証拠を集めたいという場合は、探偵事務所や興信所などの調査会社に依頼したほうがよいでしょう。
調査会社は探偵業の届出をし、「探偵業法」という法律に則って調査を行います。そのため、調査会社による「調査報告書」は有効な証拠になります。
ただし、調査会社による調査は費用が高額になることがありますので、事前によく確認しておきましょう。
悩みによって心身に異常をきたしている
離婚カウンセラーは医師ではないため、心療内科のような治療行為の一環としてのカウンセリングはできません。
離婚問題や夫婦関係の悪化で悩み、常に気分が沈む、眠れない、食欲がないなどの具体的な症状がある場合、まずは医療機関を受診し適切な治療を受けることをおすすめします。
離婚する意思が固まっている・離婚でトラブルになっている
離婚カウンセラーは離婚条件の交渉、取決め、その他の法律相談や、代理人としての手続を行うことはできません。
これは一定の例外を除き、弁護士以外が報酬を得て法律問題の相談や手続を行うことが法律で禁止されているためです(※)。
そのためすでに離婚する意思が固まっている場合や、離婚をめぐって夫婦間でトラブルが起きている場合に、具体的な解決をしたいのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。
なお、書類の作成などは司法書士・行政書士でもできますが、すべての離婚問題について一貫して相談ができるのは弁護士だけです。
※認定司法書士は、「簡易裁判所の対象となる紛争で、紛争の目的の金額が140万円を超えないもの」について法律相談ができます。
離婚したいなら弁護士に相談するのがおすすめ
このように、「夫(妻)と離婚したい」とお考えであれば、弁護士に相談するのがおすすめです。弁護士にできることや相談するメリットについて、詳しく見ていきましょう。
弁護士にできること
弁護士であれば、実際の話合いや交渉をはじめ、書面作成などの手続をあなたの代わりに一貫して行うことが可能です。そのため、以下のようなお悩みを解決できます。
- スムーズに離婚したい
- 離婚の話合いが進まない
- 財産分与や養育費などの条件を有利に取り決めたい など
離婚する際、場合によっては裁判所を通した手続もしなければなりません。なかには複雑な手続もあり、時間的・精神的に大きな負担がかかります。
弁護士に相談することで、このような負担が軽減され、安心して離婚を進めることができるでしょう。
離婚カウンセラー・夫婦カウンセラー資格を持った弁護士もいる
なかには、離婚カウンセラー・夫婦カウンセラーの資格を持った弁護士もいます。
そのような弁護士に相談すれば、実際の離婚手続を任せられるだけでなく、より深くあなたの気持ちを理解したうえで多角的な視点からアドバイスをしてくれるでしょう。
アディーレには一般財団法人日本能力開発推進協会 (JADP)認定の夫婦カウンセラー資格を持った弁護士・事務員が在籍しています。
離婚を迷っている方などへのカウンセリング自体は行っていませんが、夫婦に関する幅広い知識を積極的に学び、離婚に悩む方の気持ちに寄り添うことを心がけていますので、安心してご相談ください。
※夫婦カウンセラーの資格を有していない弁護士・事務員が対応する場合もあります。
まとめ
離婚カウンセラー・夫婦カウンセラーには、離婚を前提とした相談だけでなく、夫婦の問題に関する幅広い相談ができます。
「離婚の悩みを誰かに話したい」、「離婚するべきか迷っている」という方は、カウンセリングを受けてみるのもよいでしょう。
一方で、カウンセラーでは解決できないこともあります。そのため、相談内容によって適切な相談先を選ぶことが大切です。
あなたの状況にあった相談先を選んで、夫婦関係や離婚のお悩み解決へ向けて進めていきましょう。
監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 東京弁護士会
- 出身大学
- 慶應義塾大学法学部
どのようなことに関しても,最初の一歩を踏み出すには,すこし勇気が要ります。それが法律問題であれば,なおさらです。また,法律事務所や弁護士というと,何となく近寄りがたいと感じる方も少なくないと思います。私も,弁護士になる前はそうでした。しかし,法律事務所とかかわりをもつこと,弁護士に相談することに対して,身構える必要はまったくありません。緊張や遠慮もなさらないでくださいね。「こんなことを聞いたら恥ずかしいんじゃないか」などと心配することもありません。等身大のご自分のままで大丈夫です。私も気取らずに,皆さまの問題の解決に向けて,精一杯取り組みます。